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BigQueryの完全ガイド | 特徴、使い方、料金、パフォーマンス、セキュリティまで

2023.07.10に公開 | 2023.07.10に更新

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「Querier(クエリア)」は社内向け管理画面を圧倒的な速さで、かつビジネスのスケールに合わせて柔軟に構築することができるローコードツールです。

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Google Cloud Platform (GCP) の中心的なデータウェアハウスである BigQuery をご存知ですか?

本記事では、BigQueryの基本的な概念から使い方、料金、パフォーマンス、セキュリティまでを詳しく解説します。エンジニアやデータアナリストの方々にとって有益な情報となることを目指しています。

BigQueryとは

Googleの提供するBigQueryは、大規模なデータセットに対するSQLクエリを迅速に実行できるエンタープライズ級のウェブサービスです。

これは、Googleが長年にわたって開発してきた分散型ストレージシステムと並列処理テクノロジーを利用しています。

特徴

1. フルマネージド型とサーバーレス

BigQueryはフルマネージド型のサービスであり、ユーザーはインフラストラクチャの管理について心配する必要はありません。

また、サーバーレスアーキテクチャを採用しているため、ユーザーはインフラストラクチャのキャパシティプランニングや、サーバの設定や管理をする必要がありません。

2. 高スケーラビリティ

BigQueryはペタバイトレベルのデータを扱うことができます。データが増えるにつれて自動的にスケーリングし、一貫したパフォーマンスを提供します。

3. SQLインターフェース

BigQueryは、データ操作のために標準SQLを使用します。これにより、既存のSQL知識を活用してデータを操作することが可能となります。

4. リアルタイム分析

BigQueryはリアルタイムでのデータ分析をサポートしています。ストリーミングデータを即座にクエリすることが可能で、リアルタイムのインサイトを得ることができます。

5. 機械学習統合

BigQuery MLを用いて、SQLクエリを使って機械学習モデルを作成、評価、予測することが可能です。

これにより、データサイエンティストなどの専門的なスキルを持たないユーザーでも機械学習を活用することができます。

メリット・デメリット

メリット

  • スケーラビリティ: データのサイズに関わらず一貫したパフォーマンスを保証します。
  • フルマネージド: サーバー、ストレージ、その他のリソースの管理をGoogleに任せることができます。
  • SQLサポート: 標準的なSQLを使ってデータ分析が可能で、学習コストが低いです。
  • 柔軟性: スキーマ変更が容易で、セミ構造化データの扱いも可能です。

デメリット

  • コスト: 特に大量の小規模なクエリを実行すると、コストが予想以上に上昇することがあります。
  • 最適化: 高度なパフォーマンスを求める場合は、クエリの最適化が必要となることがあります。
  • 非構造化データ: 一部の非構造化データ(特にテキストデータ)に対する処理には限定的です。

以上がBigQueryの詳細な解説となります。

BigQueryの使い方

BigQueryの使い方は主に以下の3つのステップに分けられます。

  1. データセットの作成
  2. データのロード
  3. クエリの実行

1. データセットの作成

BigQueryでデータを管理するためには、まずデータセットを作成する必要があります。データセットはテーブルやビューのコンテナで、アクセス制御の範囲となります。

データセットは以下のようなコマンドで作成できます。

CREATE SCHEMA my_dataset;

2. データのロード

次に、データセットにデータをロードします。データのロードはBigQuery Web UI, bq command-line tool, BigQuery REST API, Google Cloud SDKを通じて行うことができます。

以下のようなSQLコマンドでCSVファイルをロードすることができます。

CREATE OR REPLACE TABLE my_dataset.MyTable
OPTIONS(
  format="CSV",
  uri="gs://mybucket/mydata*.csv",
  skip_leading_rows=1
)

3. クエリの実行

データがロードされたら、SQLを使ってクエリを実行することができます。例えば以下のようなクエリを実行することが可能です。

SELECT name, COUNT(*) as count
FROM `my_dataset.mytable`
GROUP BY name
ORDER BY count DESC
LIMIT 10

その他の使用方法

BigQueryは公式のWeb UIやREST API、Google Cloud SDKの他にも、BIツール(TableauやLookerなど)やJupyter Notebookなど、様々なツールから接続して利用することができます。

詳細な使用方法やクエリの書き方については、公式ドキュメンテーションを参照すると良いでしょう。

BigQueryの料金、無料枠はある?

BigQueryの料金体系は主に2つに分けられます:ストレージの料金とクエリの料金です。

ストレージの料金

BigQueryのデータストレージ料金は、保存されているデータの量によって決まります。

これはアクティブストレージ(最近更新されたデータ)とロングタームストレージ(90日以上更新のないデータ)で異なります。

アクティブストレージは通常、ロングタームストレージよりも高い料金が設定されています。

クエリの料金

クエリの料金は、オンデマンド料金とフラットレート料金の2つのプランがあります。

  • オンデマンド料金: クエリで処理されるデータの量に基づく料金です。つまり、クエリを実行するときにスキャンするデータの量が多ければ多いほど、費用もそれに比例して増えます。
  • フラットレート料金: 一定の月額料金で、クエリによるデータの処理量を気にせずにBigQueryを使用できるプランです。大量のデータを頻繁にクエリする場合に適しています。

無料枠について

BigQueryには無料枠が存在します。

BigQueryの無料枠では、毎月1TBまでのクエリの処理と、最初の10GBまでのストレージが無料で提供されます。

また、新規のGoogle Cloud Platformユーザーは、初めての12ヶ月間に$300の無料クレジットを利用することができます。

具体的な料金については、料金が地域や使用状況などにより異なる場合があるため、詳細は公式の料金ページをご覧ください。

BigQueryは遅い?

BigQueryはその巨大なスケールと高度なクエリエンジンにより、ペタバイト級のデータセットに対するクエリを数秒で実行する能力を持っています。

しかし、場合によってはBigQueryが遅く感じることがあります。その理由と対策について以下に述べます。

1. クエリの最適化

BigQueryは列指向のデータベースであり、クエリを効率的に行うためには特定の列のみをターゲットにすることが推奨されます。

全ての列をスキャンするクエリは、それが必要ない場合よりも多くのデータをスキャンし、それによってパフォーマンスが低下する可能性があります。

したがって、必要な列のみを指定するようなクエリの最適化を行うことが重要です。

2. データのパーティションとクラスタリング

BigQueryはテーブルのパーティション化とクラスタリングをサポートしています。パーティション化はテーブルを時間または整数範囲に基づいてセグメント化し、クエリが特定の範囲のみをスキャンすることを可能にします。

一方、クラスタリングは特定の列に基づいてデータを並べ替え、類似の値を同じブロックにグループ化します。

これらのテクニックを適切に使用することで、クエリのパフォーマンスを大幅に向上させることが可能です。

3. キャッシュの利用

BigQueryは最近実行したクエリの結果をキャッシュし、同じクエリが再度実行されると、キャッシュから結果を返します。

これにより、同じクエリの再実行は非常に高速になります。ただし、データが変更されたり、クエリにランダムな要素が含まれる場合にはキャッシュは使用できません。

4. リソースの制限

BigQueryはオンデマンドとフラットレートの2つの料金モデルを提供しています。

オンデマンドの場合、一部のリソースに制限があり、大量の同時クエリや大規模なデータ処理には適していない場合があります。

これに対し、フラットレートプランではリソースが保証され、より高度な需要に対応可能です。

これらの要素を理解し、適切に対応することで、BigQueryのパフォーマンスは大幅に改善されるでしょう。

BigQueryのセキュリティ上の注意点

Google Cloud Platform(GCP)のBigQueryは、セキュリティが最優先された設計となっています。しかし、ユーザー自身がセキュリティを維持するために注意すべき点も存在します。

1. アクセス制御

GCPは、Identity and Access Management(IAM)を通じて、BigQueryへのアクセスを細かく制御できます。

IAMロールを使用して、特定のユーザーがBigQueryのリソースに対して何を実行できるかを設定できます。データへの不適切なアクセスを防ぐために、IAMポリシーを適切に設定し、最小限の特権原則を適用することが重要です。

2. データの暗号化

BigQueryはデフォルトで全てのデータを暗号化します。

しかし、さらなるセキュリティを求める場合には、顧客管理の暗号化キー(CMEK)を使用することで、ユーザーが暗号化キーを自身で管理できます。

3. データの共有

BigQueryはデータセットの共有を簡単に行うことができます。

しかし、共有の設定を行う際には注意が必要です。意図せず公開範囲が広がると、データが不適切にアクセスされるリスクがあります。データを共有する際は、必要最小限のユーザーやグループに対してのみアクセスを許可しましょう。

4. データの削除と保持

データの保持期間を設定し、必要な期間が過ぎたら自動的にデータを削除することができます。

これにより、古いデータが不適切にアクセスされるリスクを減らすことができます。

また、BigQueryではソフトデリートという機能を使い、削除したデータを一定期間内であれば復元することが可能です。

5. Audit Logs

BigQueryはCloud Audit Logsを通じて、リソースに対する操作のログを提供します。これにより、不適切なアクセスや操作が行われた場合に迅速に対応することができます。

さいごに

今回はBigQueryの基本的な特性から、料金体系、性能についての考察、そしてセキュリティ上の注意点までを詳しく見てきました。これらの情報が、あなたがBigQueryをより効果的に使う一助となることを願っています。

最後に、BigQueryは常に進化し続けています。新機能のリリースや改善は頻繁に行われており、その都度公式ドキュメンテーションや関連資料をチェックすることで、最新の情報を得ることができます。

データ分析の世界は広大で、BigQueryはその探求を助ける強力なツールです。これからも学び続け、最大限の価値を引き出しましょう。

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