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Amazon EC2の入門ガイド | 特徴、使い方、料金、インスタンスタイプの選び方まで

2023.07.11に公開 | 2023.07.11に更新

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Amazon EC2は、Amazon Web Services(AWS)が提供するクラウドコンピューティングサービスの一つです。

本記事では、Amazon EC2の特徴、使い方、料金、インスタンスタイプ、バックアップ方法、SSH接続、起動・終了・再起動などについて詳しく解説します。

Amazon EC2とは

Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)は、Amazon Web Services(AWS)が提供するクラウドコンピューティングサービスの一つです。

EC2は仮想サーバーを提供し、必要に応じてスケーリングが可能なインフラストラクチャを提供します。

特徴

Amazon EC2は以下の特徴を持っています。

1. スケーラビリティ

EC2は必要に応じてスケールアップやスケールダウンができます。

これにより、アプリケーションのトラフィックが増加した際にも、容易にインスタンスの数やリソースを追加して対応することができます。

2. 柔軟性

EC2は多様なインスタンスタイプとオペレーティングシステムの選択が可能です。

インスタンスタイプには、汎用、コンピューティング最適化、メモリ最適化などのカテゴリがあり、異なるアプリケーションの要件に応じて最適なタイプを選択できます。

3. セキュリティ

EC2は高いセキュリティ機能を提供しています。ネットワークセキュリティグループやアクセス制御リストを使用して、インスタンスへのアクセスを制御することができます。

また、Amazon Virtual Private Cloud(VPC)と組み合わせることで、独立したネットワーク環境を構築し、より高度なセキュリティを実現することも可能です。

メリット

Amazon EC2のメリットは以下の通りです。

1. スケーラビリティと可用性

EC2はインスタンスの追加や削除が容易であり、アプリケーションの需要に応じて柔軟にリソースを調整できます。

また、Amazonが提供するグローバルなインフラストラクチャのため、高い可用性と信頼性を実現することができます。

2. 管理の簡素化

EC2では、物理サーバーの設置やメンテナンスに関する作業をする必要がありません。AWSがインフラストラクチャの管理を行い、ユーザーはアプリケーションに集中することができます。

3. お手頃な料金モデル

EC2はペイパーインスタンスモデルを採用しており、使用したリソースに対してのみ課金されます。

これにより、必要な時に必要なだけのリソースを使用できるため、コスト効率を向上させることができます。

デメリット

EC2のデメリットは以下のような点があります。

1. セキュリティの責任

EC2では、ユーザー自身がセキュリティグループやアクセス制御リストなどのセキュリティ設定を行う必要があります。セキュリティの責任がユーザーにあるため、適切な設定が必要です。

2. 初期設定の複雑さ

EC2の初期設定は一定の知識と手順が必要です。インスタンスの作成やネットワーク設定、セキュリティ設定などについて理解しておく必要があります。初めて利用する場合は、ドキュメントやチュートリアルを参考にすることをおすすめします。

Amazon EC2の使い方

Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)を使用するための手順を体系的に解説します。

1. AWS Consoleへのログイン

まず最初に、AWS Management Consoleにログインする必要があります。AWSアカウントを作成し、ログイン情報を入手してください。

2. EC2インスタンスの作成

以下の手順でEC2インスタンスを作成します。

  1. AWS Management Consoleにログインします。
  2. ダッシュボードから「EC2」を選択します。
  3. 「インスタンスの作成」をクリックします。

3. AMI(Amazon Machine Image)の選択

AMIはEC2インスタンスの起点となるイメージです。以下の手順でAMIを選択します。
「Amazon Machine Image (AMI)」のセクションで、使用したいAMIを選択します。または、独自のAMIを作成することも可能です。

4. インスタンスタイプの選択

インスタンスタイプは、インスタンスのパフォーマンスとリソースを定義するために使用されます。以下の手順でインスタンスタイプを選択します。
「インスタンスタイプ」のセクションで、必要なパフォーマンスとリソースに基づいてインスタンスタイプを選択します。例えば、汎用、コンピューティング最適化、メモリ最適化などのカテゴリから選択できます。

5. インスタンスの設定

以下の手順でインスタンスの設定を行います。
「インスタンスの詳細設定」セクションで、インスタンスの詳細設定を行います。例えば、ユーザーデータの追加やネットワーキングの設定などが含まれます。

6. ストレージの設定

以下の手順でインスタンスのストレージを設定します。
「ストレージの追加」セクションで、必要なストレージのサイズやタイプを選択します。EBS(Elastic Block Store)を使用してデータを保存することが一般的です。

7. セキュリティグループの設定

以下の手順でセキュリティグループを設定します。
「セキュリティグループの設定」セクションで、インスタンスへのアクセスを制御するためのセキュリティグループを作成します。適切なポートとプロトコルの設定を行ってください。

8. インスタンスの起動

以下の手順でEC2インスタンスを起動します。
設定が完了したら、「起動」ボタンをクリックします。

以上の手順でEC2インスタンスが作成され、起動されます。必要ならば、インスタンスにアクセスするためのキーペアの作成も行ってください。
EC2インスタンスは、必要な時に必要なだけ作成・削除・スケールすることができます。また、インスタンスの管理やモニタリング、バックアップの設定などもAWS Management Consoleから行えます。

Amazon EC2の料金、無料枠はある?

Amazon EC2の料金体系は複雑ですが、以下で基本的なポイントを解説します。

料金の要素

Amazon EC2の料金は、以下の要素に基づいて計算されます。

  1. インスタンスの種類: 使用するインスタンスのタイプによって料金が異なります。インスタンスタイプには、汎用、コンピューティング最適化、メモリ最適化などのカテゴリがあります。
  2. インスタンスの実行時間: EC2インスタンスが実行される時間に応じて課金されます。インスタンスを起動している間は料金が発生し、停止している場合でもストレージの使用料金が発生する場合があります。
  3. ストレージの使用量: EC2インスタンスで使用するストレージの容量やタイプによって料金が異なります。Amazon EBS(Elastic Block Store)などのストレージサービスを使用する場合、使用したストレージ容量に対して料金が発生します。
  4. データ転送量: EC2インスタンスとインターネットや他のAWSサービスとの間で発生するデータの転送量に応じて料金が発生します。データの受信と送信の両方が料金対象となります。

無料枠

AWSでは、新規ユーザーや学生などに対して一定の無料枠を提供しています。無料枠では、特定のサービスを一定期間や使用量まで無料で利用することができます。
具体的には、EC2の無料枠では以下のような特典があります。

  • 750時間の無料利用: 新規ユーザーはEC2インスタンスを750時間まで無料で利用することができます。
  • ストレージの無料利用: EBSストレージについても一定量までの無料利用が可能です。

ただし、無料枠の利用期間や詳細な条件はAWSの公式ウェブサイトで確認する必要があります。

詳細な料金情報については、Amazon EC2の料金ページAWS料金計算ツールを参照してください。

Amazon EC2のインスタンスタイプ

Amazon EC2では、さまざまなインスタンスタイプが提供されており、それぞれ異なる特徴とパフォーマンスを持っています。本節では、インスタンスタイプの詳細な解説と選び方について説明します。

インスタンスタイプ

EC2のインスタンスタイプは、以下のカテゴリに分類されます。

  1. 汎用インスタンス: 汎用的なパフォーマンスを持ち、さまざまなワークロードに適しています。一般的なウェブサーバーやバッチ処理などに使用されます。
  2. コンピューティング最適化インスタンス: 高い計算能力を持ち、CPUによる処理が主要なワークロードに適しています。データ処理や科学技術計算などに使用されます。
  3. メモリ最適化インスタンス: 大量のメモリを持ち、メモリ要件の高いワークロードに適しています。データベースやインメモリキャッシュなどに使用されます。
  4. ストレージ最適化インスタンス: 高性能なストレージを持ち、大容量のデータ処理やデータベースなどに適しています。I/Oによる高いパフォーマンスが求められるワークロードに使用されます。
  5. GPUインスタンス: グラフィックス処理や機械学習などのGPU処理が必要なワークロードに適しています。GPUアクセラレーションが必要な処理に使用されます。

インスタンスタイプの選び方

インスタンスタイプを選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。

  1. ワークロードの要件: ワークロードに適したパフォーマンス特性を持つインスタンスタイプを選ぶ必要があります。例えば、CPU処理が主要なワークロードならばコンピューティング最適化インスタンスが適しています。
  2. 予算: インスタンスタイプによって料金が異なるため、予算に合わせて適切なインスタンスタイプを選ぶ必要があります。より高性能なインスタンスタイプほど料金も高くなります。
  3. 将来的な成長: ワークロードの予想される成長に対応できるように、スケーラビリティや将来の需要に応じたインスタンスタイプを選ぶことが重要です。必要に応じてインスタンスの追加やサイズ変更ができるか確認してください。

インスタンスタイプの詳細情報

インスタンスタイプの詳細情報については、AWS公式ドキュメントのインスタンスタイプページを参照してください。このページでは、各カテゴリごとに利用可能なインスタンスタイプの一覧やスペック、パフォーマンスの詳細が記載されています。

Amazon EC2をバックアップする方法

Amazon EC2インスタンスをバックアップする方法には、以下の2つの方法があります。

  1. Amazon EBS(Elastic Block Store)スナップショットを使用する方法
  2. AMI(Amazon Machine Image)を作成する方法

それぞれの方法について、詳しく解説します。

Amazon EBSスナップショットを使用する方法

Amazon EBSスナップショットを使用する方法は、EC2インスタンスのブロックレベルのデータを保存するための効果的な方法です。以下の手順でバックアップを作成します。

  1. スナップショットの作成: AWS Management ConsoleやAWS CLIなどのツールを使用して、EC2インスタンスの対象となるEBSボリュームのスナップショットを作成します。スナップショットは、データをAmazon S3に保存します。
  2. スナップショットから新しいボリュームを作成する: スナップショットから新しいEBSボリュームを作成することで、バックアップからのリストアが可能です。
  3. ボリュームをアタッチする: 新しいボリュームを別のEC2インスタンスにアタッチすることで、バックアップからのデータの復元ができます。

AMIを作成する方法

AMIを使用する方法は、EC2インスタンスのイメージを作成し、起動や復元に使用することができます。以下の手順でバックアップを作成します。

  1. AMIの作成: AWS Management ConsoleやAWS CLIなどのツールを使用して、EC2インスタンスからAMIを作成します。AMIには、EC2インスタンスの起動に必要な情報が含まれます。
  2. AMIから新しいインスタンスを起動する: 作成したAMIを使用して、同じ設定やデータを持つ新しいEC2インスタンスを起動します。

バックアップのスケジュール設定

EC2インスタンスの定期的なバックアップを実現するためには、以下の方法があります。

  • AWS Data Lifecycle Manager: AWS Data Lifecycle Managerを使用して、スケジュールされたスナップショットの作成や削除を自動化することができます。これにより、定期的なバックアップの作成と管理を簡素化できます。
  • スクリプトやスケジューラの使用: EC2インスタンス上でスクリプトやスケジューラを設定し、定期的にスナップショットやAMIの作成を実行することも可能です。

バックアップの検証とリストア

バックアップの作成後には、定期的にバックアップの検証とリストアのテストを行うことが重要です。

これにより、データの完全性とリカバリーの正常性を確認することができます。

注意点

バックアップを作成する際には、以下の点に注意してください。

  • バックアップデータは別のリージョンやアベイラビリティーゾーンに保存することを検討してください。これにより、災害復旧や高い可用性を確保できます。
  • バックアップデータの暗号化を有効にすることをおすすめします。これにより、データのセキュリティが強化されます。
  • バックアップデータの保持期間と削除ポリシーを定義し、不要なバックアップを削除することを忘れないでください。

Amazon EC2にSSH接続する

Amazon EC2インスタンスにSSH接続するには、以下の手順を順に実行します。

1. キーペアの作成

まず最初に、SSH接続に使用するキーペアを作成する必要があります。以下の手順でキーペアを作成します。

  1. AWS Management Consoleにログインします。
  2. EC2のダッシュボードに移動します。
  3. 「キーペア」セクションに移動し、「キーペアの作成」をクリックします。
  4. キーペアの名前を入力し、キーペアの形式(例: RSA)を選択します。
  5. 「キーペアの作成」をクリックし、キーペアのファイルをダウンロードします。キーペアの秘密鍵(.pemファイル)は安全に保管してください。

2. セキュリティグループの設定

次に、EC2インスタンスのセキュリティグループでSSH接続を許可する必要があります。以下の手順で設定を行います。

  1. AWS Management ConsoleのEC2ダッシュボードに移動します。
  2. 「セキュリティグループ」セクションに移動します。
  3. 対象のセキュリティグループを選択し、インバウンドルールを編集します。
  4. ルールの種類として「SSH(ポート22)」を選択し、アクセスを許可するソース(例: 自分自身のIPアドレス)を指定します。

3. SSHクライアントを使用して接続

最後に、SSHクライアントを使用してEC2インスタンスに接続します。以下の手順で接続を行います。

  1. SSHクライアントを起動します(例: TerminalやPuTTYなど)。
  2. ターミナルで以下のコマンドを使用してEC2インスタンスに接続します。
ssh -i <キーペアの秘密鍵のパス> <ユーザー名>@<EC2インスタンスのパブリックDNS>

e.g. ssh -i ~/.ssh/my-key.pem ec2-user@ec2-xx-xxx-xxx-xx.compute-1.amazonaws.com

ユーザー名はEC2インスタンスによって異なる場合があります(例: Amazon Linuxの場合は「ec2-user」、Ubuntuの場合は「ubuntu」)。

Amazon EC2を起動/終了/再起動する

EC2インスタンスを起動、終了、再起動するには、以下の手順を実行します。

  • インスタンスの一覧から、対象のインスタンスを選択します。
  • "Actions"メニューから、起動、終了、再起動などの操作を選択します。

以上の手順で、EC2インスタンスの状態を制御することができます。

さいごに

この記事では、Amazon EC2に関する基本的な内容を詳しく解説しました。以下の項目について解説しました。

Amazon EC2は、柔軟な仮想サーバーインスタンスを提供するため、さまざまな用途で活用されています。この記事を参考にすることで、EC2の基本的な機能や使用方法、料金体系、バックアップの方法、そしてSSH接続に関する手順を理解することができます。

AWSの公式ドキュメントやチュートリアルも活用しながら、より詳細な情報や具体的な設定方法を学んでいくことをおすすめします。

Amazon EC2はクラウドコンピューティングの中でも重要なサービスの一つであり、エンジニアにとって非常に役立つものです。ぜひ、この記事を参考にして、Amazon EC2の活用を始めてみてください。

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