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NoSQL入門 | メリット・デメリット、SQLとの比較、主要なNoSQLデータベースの解説まで

2023.07.18に公開 | 2023.07.18に更新

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近年、ビッグデータ時代の中で、NoSQLデータベースが重要な役割を果たしています。

これに対し、従来のSQLデータベースとはどう違うのでしょうか?

本記事では、NoSQLの基本的な概念から、メリット・デメリット、SQLとの違いについて深掘りします。

NoSQLとは

NoSQLとは、"Not Only SQL"を意味し、伝統的なRDB(リレーショナルデータベース)/SQLに対する代替手段として登場しました。

ビッグデータやリアルタイムWebアプリケーションが増え、それらを支えるデータストレージの必要性が高まった結果、NoSQLが広く採用されるようになりました。

NoSQLのメリット・デメリット

メリット

  • スケーラビリティ: NoSQLデータベースは、水平スケーラビリティに優れ、データの増加に伴い容易に拡張できます。
  • 柔軟なデータモデル: NoSQLでは、固定スキーマを必要とせず、多様なデータタイプを扱うことが可能です。
  • 高速: データの読み書きが高速で、リアルタイム処理が可能です。

デメリット

  • 結果整合性: 従来のSQLデータベースと比較して、一部のNoSQLデータベースでは結果整合性に課題があります。
  • 標準化の欠如: NoSQLデータベースには、SQLに比べて標準化が進んでいないため、学習コストがかかる場合があります。

NoSQLとRDB/SQLの違い・比較

RDB/SQLデータベースは、長年の間、データストレージのデファクトスタンダードとされてきました。

しかし、NoSQLデータベースは以下の点で異なります。

  • スキーマ: SQLデータベースではスキーマが固定されているのに対し、NoSQLではスキーマレスまたは動的スキーマを採用しています。
  • スケーラビリティ: SQLは垂直スケーラビリティに優れていますが、NoSQLは水平スケーラビリティに優れています。
  • トランザクション: SQLはACIDプロパティを保証しますが、NoSQLはこれを必ずしも保証しません。

NoSQLの使い所は?

NoSQLデータベースはその技術的な特徴から、以下のような特定のシーンで有効に活用することができます。

  1. データモデルのフレキシビリティが必要な場合: NoSQLデータベースはスキーマレス性を持つため、データの構造が一定でない、または頻繁に変わるような状況で有効です。たとえば、新しい機能の追加やビジネス要件の変化に迅速に対応する必要があるWebアプリケーション開発などが該当します。
  2. 大量のデータを効率的に処理する必要がある場合: NoSQLデータベースは水平スケーリングが可能で、大量のデータを迅速に処理する能力を持っています。そのため、ビッグデータを扱うシステムやリアルタイムの分析、高トラフィックなWebサービスなどのデータ管理に適しています。
  3. 高い可用性や耐障害性が求められる場合: NoSQLデータベースは、多くの場合、分散システムとして設計されています。そのため、システム全体がダウンすることなく、障害発生時にもデータへのアクセスを続けられます。これはクリティカルな業務を扱うシステムや24時間365日稼働が求められるサービスにとって重要です。
  4. データの書き込み速度が重要な場合: NoSQLデータベースはデータの迅速な書き込みを可能にします。リアルタイムのユーザー行動ログの収集や、IoTデバイスからの高頻度のデータストリームの管理など、書き込み速度が重要となる状況で有効です。
  5. 複数地域にまたがるデータ管理が必要な場合: NoSQLデータベースはデータを地理的に分散させる能力を持っているため、複数の地域や国にまたがるユーザーに対して低レイテンシでのサービスを提供する必要がある場合に適しています。

これらの特性を考慮して、NoSQLが自身のビジネスやアプリケーションに適しているか評価し、適切なデータベース選択を行うことが重要です。

結果整合性とは?

結果整合性 (Eventual Consistency) は、分散データストアの一部としてしばしば見られる一貫性モデルの一つです。結果整合性は、全てのノードが最終的に同じ状態に収束することを保証しますが、それはある一定の時間遅延後、または一連の特定の操作後であることが多いです。

このモデルでは、データがすぐにすべてのノードに反映されるわけではありません。これにより、特定の時間窓において、ユーザーが異なるノードから異なるデータを読み取る可能性があります。しかし、何らかの更新がなければ、その後すべてのノードは同じ値に収束します。

結果整合性の重要な特徴は以下の通りです。

  1. 高い可用性: 一部のノードがダウンしても、システム全体は可用性を維持します。これは、全てのノードが最新のデータを保持している必要がないためです。
  2. ネットワークパーティションの許容: ネットワークの一部が障害で切断されたとしても、システムは稼働し続けます。
  3. 遅延の許容: データの書き込みや読み取りは即時に行われ、ネットワーク遅延がユーザー体験に影響を与えることが少なくなります。
  4. スケーラビリティ: 新しいノードを追加するときに、全体の一貫性を即時に保つ必要がないため、システムをスケールアウトするのが容易です。

しかし、一貫性が緩和されるため、アプリケーションは一時的なデータの不一致を許容する必要があります。これは、特に金融や会計などのアプリケーションには適していないかもしれません。

代表的なNoSQLデータベースの比較

DynamoDB

DynamoDBはAmazon Web Services (AWS)が提供するフルマネージドのNoSQLデータベースで、キーバリューとドキュメントの両方のデータモデルをサポートしています。マイクロ秒単位のパフォーマンス、自動トラフィックスケーリング、暗号化によるセキュリティなどを特徴としています。
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MongoDB

MongoDBはオープンソースのドキュメント指向データベースで、JSONライクなドキュメントに対する高い柔軟性とスケーラビリティを提供しています。フルテキスト検索、グラフ処理、地理空間クエリなどの機能も備えています。
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Firestore

FirestoreはGoogle Cloud Platform (GCP)が提供するNoSQLデータベースで、リアルタイムのアップデートと自動スケーリングを特徴としています。ドキュメントモデルを採用しており、iOS、Android、Webなど複数のプラットフォームをサポートしています。
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Redis

Redisはオープンソースのキーバリューストアで、主にキャッシング、メッセージング、タスクキューなどの用途で使用されます。インメモリデータベースとして設計されているため、非常に高速な読み書きが可能です。
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Cassandra

Cassandraはオープンソースの分散型NoSQLデータベースで、高い可用性とスケーラビリティを特徴としています。ワイドカラムストア型のデータモデルを採用しており、大量のデータを効率的に処理することが可能です。
公式サイト

さいごに

この記事では、NoSQLデータベースの特性、SQLとの比較、それぞれのメリットとデメリット、そして結果整合性という概念について詳しく見てきました。また、いくつかの主要なNoSQLデータベース、その特徴と使い方も紹介しました。

NoSQLはデータ管理の新たなアプローチを提供し、その柔軟性とスケーラビリティは多くのシチュエーションで価値を発揮します。しかしながら、どのデータベース技術を選択するかは、そのアプリケーションの要件、データの特性、そして将来のスケーリングニーズに大きく依存します。

最適な技術選択をするためには、各テクノロジーの特性と可能性を理解し、自身のビジネス要件に適したものを選ぶことが重要です。この記事がその選択の一助となれば幸いです。

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