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Amazon Redshiftの徹底解説 | 使い方、料金、Serverless/Spectrum/Athenaとの比較まで

2023.07.11に公開 | 2023.07.11に更新

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この記事では、AWSの大規模データ分析サービスであるAmazon Redshiftについて深堀りします。概要から具体的な使用方法、さらには料金体系まで詳細に解説します。さらに、他の一般的なデータベースサービスとの比較も行います。

これにより、Redshiftがどのような場面で最適なソリューションとなるのかを理解し、適切な技術選択を行う一助となることを目指します。

Amazon Redshiftとは

Amazon Redshiftは、Amazon Web Services (AWS)が提供する、フルマネージド型のデータウェアハウスサービスです。

ペタバイト級の大量データの分析を可能にするための仕組みを提供しており、そのパフォーマンスとスケーラビリティから、多くの企業がビッグデータの分析基盤として活用しています。

特徴

  1. 高速性: Redshiftは列指向データストレージを使用しており、大量のデータに対する分析クエリの実行が非常に高速です。また、データの圧縮・非圧縮を自動で最適化し、スピードとストレージのバランスを保つ機能があります。
  2. スケーラビリティ: クラスタのサイズを自由に変更することが可能で、使用するリソースを自由にスケーリングすることができます。これにより、データ量や分析の複雑さが増えた場合でも対応が可能です。
  3. セキュリティ: データは暗号化され、ネットワーク接続はSSLを使用するため、高いセキュリティを保つことができます。また、VPC (Virtual Private Cloud) を使用することで、ネットワークの隔離とセキュリティの強化が可能です。

メリット

  • 運用の手間削減: Redshiftはフルマネージドサービスであるため、運用・管理の手間が大幅に削減されます。バックアップ、パッチ適用、ネットワークの設定などを自動で行ってくれます。
  • 経済性: Redshiftはデータの圧縮により、同じデータ量でもストレージコストを低減します。また、リザーブドインスタンスを使用することで、コストをさらに削減することが可能です。
  • 互換性: PostgresSQLと互換性があるため、多くの既存のSQLツールやライブラリをそのまま使用することができます。

デメリット

  • 導入コスト: Redshiftの導入にはそれなりのコストがかかります。特に、小規模な利用であれば、他のサービスの方が経済的かもしれません。
  • 柔軟性: Redshiftはデータウェアハウスとしての使用に特化しているため、OLTP(Online Transaction Processing)などの用途には向いていません。また、一部の高度な分析機能は他のAWSサービスと組み合わせて使用する必要があります。

Amazon Redshiftの使い方

Amazon Redshiftの基本的な使用方法を以下に示します。ただし、この手順はAWS Management Consoleを使用する場合のものです。

Redshiftクラスタの作成

  1. AWS Management Consoleにログインし、サービスリストから「Redshift」を選択します。
  2. 「クラスタの作成」をクリックします。
  3. 必要な情報を入力します。これにはクラスタ識別子、データベース名、マスターユーザー名とパスワードなどが含まれます。
  4. 必要に応じて、「ノードタイプ」や「ノード数」を設定します。データの量や分析の複雑さに応じて選択します。
  5. 設定が完了したら、「クラスタの作成」をクリックします。

データのロード

Redshiftは各種データソースからデータをロードすることができます。ここでは、Amazon S3からのデータロードを例に説明します。

  1. AWS Management Consoleで、「Redshift」を選択します。
  2. クラスタリストから、データをロードするクラスタを選択します。
  3. クエリエディタを開き、COPYコマンドを使用してS3からデータをロードします。このコマンドは、データファイルの場所と、それをどのように解析するかを指定します。

クエリの実行

  1. AWS Management Consoleで、「Redshift」を選択します。
  2. クラスタリストから、クエリを実行するクラスタを選択します。
  3. クエリエディタを開き、SQLクエリを入力して「実行」をクリックします。

以上がAmazon Redshiftの基本的な使い方です。ただし、本番環境での利用には、より高度なセキュリティ設定や、パフォーマンスチューニングなどが必要になる場合があります。

Amazon Redshiftの料金、無料枠はある?

Amazon Redshiftの料金は主に2つの部分から成り立っています。それは「クラスタの利用料金」と「データ転送料金」です。

クラスタの利用料金

クラスタの利用料金は、選択したノードタイプとノードの数によって決まります。Redshiftはオンデマンドとリザーブドの2つの料金体系があります。
オンデマンド: 使用した時間分だけ課金されます。プロジェクトの初期段階や、必要な期間が短い場合に適しています。
リザーブド: 1年または3年契約で、前払いすることで割引を受けることができます。長期間にわたり継続して使用する場合にコストを抑えることができます。

データ転送料金

AWSのリージョン間やインターネット経由でデータを転送する場合には、データ転送料金が発生します。ただし、同一リージョン内やVPCピアリングを利用したデータ転送は無料です。

無料枠について

現在のところ(2023年7月現在)、Amazon Redshiftには無料枠は設けられていません。試用期間や特別なプロモーションを除き、使用した分だけ課金されます。

ただし、AWSは新規ユーザー向けに「AWS Free Tier」というプログラムを提供しています。これにより、特定のAWSサービスを一定量まで無料で試すことができます。Amazon Redshift自体の無料枠はありませんが、AWS Free Tierの範囲内であれば、関連する他のAWSサービス(たとえば、Amazon S3やEC2)を無料で利用することが可能です。

以上がAmazon Redshiftの料金と無料枠についての解説です。具体的な料金はAWS公式ウェブサイトのAmazon Redshiftの料金ページで確認することができます。

Amazon Redshift Serverlessとは、メリット・デメリット

「Amazon Redshift Serverless」は、Amazonが提供するサーバーレスデータウェアハウスサービスです。従来のRedshiftと同じようにデータ分析が可能な一方で、インフラストラクチャの管理が不要となり、スケーリングも自動で行われます。

つまり、ユーザーはクエリの実行に集中でき、リソースのプロビジョニングやスケール調整といったタスクから解放されます。

特徴

  • 自動スケーリング: ユーザーがリソースの調整をする必要がなく、ユーザーのクエリに応じて自動的にスケーリングします。
  • サーバーレス: サーバーやクラスタの管理が不要です。ユーザーはクエリの実行に集中できます。

メリット

  • サーバーレスのため、インフラストラクチャの管理が不要。
  • ユーザーがリソースの調整をする必要がない。

デメリット

  • 従来のRedshiftと比べて制御が劣るため、特定のパフォーマンス要件を満たす必要がある場合は向かない。

利用シーン

  • ユーザーがインフラストラクチャの管理をしたくない場合。
  • 需要が変動するデータ分析作業。

Amazon Redshift Spectrumとは、メリット・デメリット

Amazon Redshift Spectrumは、Amazon S3上のビッグデータに対するクエリを直接実行できる機能です。通常のRedshiftクラスタと組み合わせて使用します。

特徴

  • S3上のデータに対する直接クエリ: RedshiftクラスタへのロードなしにS3上のデータをクエリできます。
  • 大規模データ処理: 複数のRedshiftクラスタからSpectrumを共有することで、PB単位のデータに対しても高速にクエリを実行できます。

メリット

  • S3上のデータを直接クエリできるため、データロードの時間とコストを節約できます。
  • 大量のデータに対して高速にクエリを実行できます。

デメリット

  • データの形式によっては、Spectrumでクエリを実行する前にデータの変換が必要な場合があります。

利用シーン

  • S3上に大量のデータを保存している場合。
  • データロードの時間を削減したい場合。

Amazon Redshift Athenaとは、メリット・デメリット

Amazon Athenaは、S3上のデータに対するSQLクエリの実行をサポートするサーバーレスサービスです。Redshiftとは異なり、Athenaは完全にサーバーレスであり、設定や管理が不要です。

特徴

  • サーバーレス: クラスタやサーバの管理が不要で、クエリの実行にのみ費用が発生します。
  • データロードなし: AthenaはS3上のデータに直接クエリを実行できます。

メリット

  • サーバーレスのため、インフラストラクチャの管理が不要。
  • データロードが不要なため、すぐにデータ分析を開始できます。

デメリット

  • Redshiftと比べてパフォーマンスが劣る可能性があります。

利用シーン

  • すぐにデータ分析を開始したい場合。
  • サーバーやクラスタの管理を避けたい場合。

Snowflakeとの違い、メリット・デメリット

Snowflakeは、クラウドネイティブのデータウェアハウスサービスです。Redshiftとは異なり、ストレージと計算の分離、マルチクラウドとマルチリージョンのサポートを特徴としています。

特徴

  • ストレージと計算の分離: ユーザーはストレージと計算リソースを独立してスケールできます。
  • マルチクラウドとマルチリージョン: AWSだけでなく、AzureやGoogle Cloud Platformでも動作します。

メリット

  • ストレージと計算を独立してスケールできるため、より柔軟なパフォーマンスチューニングが可能。
  • マルチクラウドとマルチリージョンのサポートにより、クラウドベンダーへの依存を避けられます。

デメリット

  • Redshiftと比べて料金が高めである可能性があります。

利用シーン

  • 複数のクラウドプロバイダを利用している場合。
  • ストレージと計算を独立してスケールしたい場合。

さいごに

この記事では、Amazon Redshiftとそれに関連する各種サービスについて詳細に解説しました。それぞれの特性や利用シーンの理解は、ビジネス要件に最も適した選択をするための第一歩です。

テクノロジーは絶えず進化しますので、最新の情報を常に確認し、最適なデータ分析ソリューションを選択するための知識を深めていくことが重要です。データ分析の旅を続ける一助になれば幸いです。

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